3月1日、「ひた森勉強会2024」最終回となるバスツアーが開催されました。
朝9時、受講生と講師陣の計20人が日田市役所にほど近い大原神社前に集合。バスに乗って日田市内をめぐります。
ひた森広報チーム@林業初心者も実は、この日めぐるスポットがほぼ初めて。受講生と共にわくわくしながらバスに乗り込みます。
まずは大分県農林水産研究指導センターへ
バスツアーのはじめに、林業研究や森林整備を行う大分県農林水産研究指導センターの林業研究部を訪れました。ひた森広報チームも日田市民ですが、なかなか訪れる機会のない場所です。
林業研究部では、県内の森林所有者や森林組合、木材協同組合や行政機関などの「現場」から要望を募って、試験研究課題を設定しているとのこと。
たとえば、低コストで早く育つ「コウヨウザン」の苗木生産や育林技術などの調査研究、循環型林業の確立に向けた高精度なスギ人口林適材地判定マップづくり、この時期は多くの人が悩まされる「花粉症」に関するスギの雄花着花状況調査など。
一般市民には遠く思える場所ながら、私たちの生活にも深く関係しているのだとわかりました。
ずらりと並んださまざまな種類の木々。
こちらは苗木が並ぶハウス。チクチクした葉が特徴の「コウヨウザン」はヒノキの一種で、将来的にはスギやヒノキに代わって植えられる可能性もあるのだとか!
ここで生まれた新たな品種が、日田の森を豊かにかえるとならば、苗木の1本1本が尊く見えます。
試験場の外にもさまざまな木々が。担当者曰く「森林所有者にとって、造林した樹木はひとつの財産」。ここで生まれた良質な木が、森を育て、人の暮らしを支えている家や家具となり、経済循環も促しているんですね。
造林・育林に始まり、伐採や搬出運搬、市場での取り扱いや製材、流通に至るまでを見通しながら、理想の木材を追求する仕事にふれることができました
ブラタモリさながら日田の地形も学ぶ
次に訪れたのは日田市立博物館。
かつて日田に住んでいたことがあるタモリさんの人気番組『ブラタモリ』気分で、「自然史から見る日田林業の歴史」をテーマに学びます。
日田の地形は約9万年前に起きた阿蘇山の火砕流によって生まれたとのこと。そこから木々が生い茂り、豊かな森と町ができたと思うと感慨深いです。
日田が誇るウッドコンビナートへ!
ランチを挟み、続いてはウッドコンビナートへ。
木材関連企業がどーんと集まるウッドコンビナートは、日田が林業の町であることを象徴するエリアです。
ここでは原木丸太の売り買いを行う九州木材市場の田中社長にお話を伺いました。
ひた森の担い手づくり協議会のミッションは「造林・育林」の担い手を増やすことですが、林業全体としては造林・育林の先に、伐採、原木市場での競り、製材、住宅や家具などの製品化まで、さまざまな仕事があります。
その中で「競り」を担当するのが木材市場。広大な敷地に積まれた原木やフォークリフトにテンションがあがります。
九州木材市場には、1991年に日田を襲った台風19号で倒れた樹齢400年超のスギも展示されていました。こちらは日田スギの原木といわれる中津江村「津江神社」のもの。迫力のある大きな原木に一同、感動!
次は、ウッドコンビナート内にある日田資源開発事業協同組合の木質バイオマス利用施設へ。
「バーク(樹皮)」を燃やした熱で木材を乾燥させる施設は、市内で発生するバークの利活用や、乾燥材の増産・供給に一役買っているとのこと。まさに、循環型産業モデルですね。
最後はウッドコンビナート内のベストリビングにもお邪魔しました。
木材から家具をつくるベストリビングでは、5年ほど前からソファの内部構造に使用する木材の国産化を推進されているとのこと。
実は、日田は家具づくりも有名。ベストリビングでは、博多〜別府をつなぐ観光列車「かんぱち・いそろく」のソファもデザイン・製造されたそうです(乗ってみたい!)。
「日田家具」と呼ばれる日田の家具は、テーブルや椅子など「脚」があるものが強いとのこと。受講生一同は、見学後に日田家具の心地よさも体験しました。
こちらは、イベント等で子どもたちをたのしませている日田杉産の「ヒタゴラスギッチ」。まるでNHKの人気コーナーのように、子どもたちが目を輝かせます。
市内の林業スポットを巡ったバスツアーはこれにて終了!
10月にスタートした全4回の研修と共にした受講生たちは「同志」のように打ち解け、なかには「日田に移住する!」という人も。
「ひた森勉強会2024」はこれにて終了となりますが、日田の森を育む新たな担い手としてはここからが本番。この機会を生かし、ひた森の担い手としての活躍をひた森の担い手協議会は引き続きサポートします!
ご参加いただいた皆さん、ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。
全4回をすべてレポートしてくださった西日本新聞社・床波さんの記事「大分県日田市の林業担い手育てる「ひた森勉強会」が最終回 研究施設や原木市場など見学」もどうぞご覧ください。