【ひた森座談会】収入を得ながら日田の森で学ぶ。ひた森研修生に聞いた現場のリアル

ひた森の担い手づくり協議会では、収入を得ながら造林・育林を学べる「短期/長期研修」を実施しています。

今回は、令和7年度の短期研修(約3カ月間)と長期研修(約3年間)に参加した研修生4人と、受け入れ事業体3社に集まっていただき、それぞれが感じた研修のリアルな感想を共有しました。

左から石見さん、梶原さん、熊谷さん、牧さん。ひた森研修終了の証「修了証」もお渡ししました!

ゼロからのスタート!現場で感じた「山のリアル」

 

ひた森:
本日はお集まりいただきありがとうございます。まずは研修生の皆さん、実際に山に入って作業をしてみていかがでしたか?

牧さん(トライ・ウッド研修生):
私は1年を通して、下刈りから植え付けまでを経験しました。山の環境が好きなので、とても満足しています。子どもがまだ小さいのですが、時間の融通が利くのもありがたかったですね。

ただ、夏場に広い場所を下刈りする際、指導員の方が月に6回来てくださるのですが、作業の手を止めてお話を聞く時間が発生するので、もう少し臨機応変に対応してもらえると嬉しいなと思いました。

岩見さん(江藤索道研修生):
私は本業で造園業をやっていて、兼業として参加しました。1番良かったのは、紹介してもらった会社がものすごく技術が高かったことです。

一瞬で命に関わるような危険なポイントを、最初にしっかりと教えてもらえたのが本当に良かったですね。チェンソーの玉切りや伐倒なども経験させてもらえました。

梶原さん(マルマタ林業研修生):
私は日田林工の林業科出身なんですが、学んだことは忘れてしまっていて(笑)、ゼロから学ぶ気持ちで参加しました。

危険区域のルールなど、細かい部分から教えてもらえてすごく勉強になりました。ただ、山を歩いて登っていく作業が多くて、貸し出ししてもらったチェンソーブーツがカチカチで合わず、体力面が想像よりもきつかったですね。

熊谷さん(トライ・ウッド研修生):
私は昨年の短期研修でお世話になった後、林業アカデミーに進学しました。研修で学んだチェンソーの目立てや施業プランナーの知識が学校生活でもすごく活きています。実は卒業後、トライ・ウッドへの就職が決まり、日田(上津江)へ移住することも決定しました!

一同:
おおー!おめでとうございます!

ひた森:
今後もより良い研修を行っていくために、もっとこうしたらいい!というアイデアがあればお願いします。

岩見さん:
(短期研修の場合)専業で入れる人が月20日行けるところを、私は本業との兼ね合いで週2日(月9〜10日)しか行けませんでした。兼業向けに研修期間を単純に半年ぐらいにしてもらえるとありがたいです。また、研修に応募する段階で、「この会社は植林〜下刈りがメイン」「ここは皆伐や除伐メイン」というふうに、写真付きで具体的な作業内容が分かると、自分の目的に合った会社を選びやすいと思います。

梶原さん:
私は農業の知識を活かして、竹炭や竹酢液を使って獣害対策の「結界」を張るようなアイデアも試してみたいと思っています。また、植林の人手不足だけでなく、「苗木の生産(育苗)」の方にも人手が必要なんじゃないかと現場を見て感じました。

 

企業側から見た研修生
現場が求める「5年先のビジョン」

 

ひた森:
事業体の皆さんから見て、研修生の受け入れはいかがでしたか?

トライ・ウッド:
現場の指導は班長に任せていますが、毎日同じ作業が続くとくたびれてしまうという声も聞いています。ただ、きれいな地拵えをすれば、きれいな植え付けができる。きれいな植え付けができれば、きれいな下刈りができるんです。5年先を見据えた作業をしないと山は育ちません。研修生には将来独立して儲けてもらうために、「今日1日でいくら分の仕事をしたか」を逆算して考えるような経営感覚も指導しています。

江藤索道:
若い社員たちと和気あいあいと楽しく作業をやってくれました。ただ、造園業との兼業だったので、出勤日数が月10日前後でした。基本作業を一通り覚えた頃に3ヶ月の研修期間が終わってしまったので、兼業の人を受け入れるなら期間をもっと延ばした方がいいと感じましたね。

マルマタ林業:
うちの研修生も農業との兼業でした。ただ農業経験者なので暑さや寒さには慣れていましたし、歩く作業や薪割り、森林調査、コンテナ苗の植え付けなど、やったことのない作業を一通り怪我なく経験してもらえました。

 

「兼業・複業ニーズ」は絶対に来る!
これからの林業のカタチ

 

ひた森:
今回の研修生には兼業の方も多くいました。農業や造園業などと組み合わせた兼業のしやすさも今後考えていきたいでね。

マルマタ林業:
農業との副業ニーズは絶対に出てくると思います。冬の寒い時期など、農業の閑散期に合わせてスケジュール調整ができました。研修期間は一旦終了しましたが、「今後も時間がある時にパートで呼んでもいいですか?」と声をかけていて、良い繋がりができました。

江藤索道:
うちも同じですね。本業が暇な時があるでしょうから、「その時はパートや季節労働で来ていいよ」と声をかけています。今後、こういう働き方の人は増えてくると思います。

トライ・ウッド:
年間を通じた仕事の確保は課題です。春と秋は仕事があっても、真夏や真冬はどうしても仕事が減る時期があります。農業とセットにするのも一つの手ですが、年間を通じて仕事が切れないような仕組みづくりが必要ですね。

ひた森:
ありがとうございます。次年度以降は、皆さんの声を反映して「兼業の方向けの期間延長」や「事前情報の見える化」など、より良い制度にアップデートしていきたいと思います。

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