2026年3月7日、「ひた森勉強会」の最終回となる第4回バス研修が開催されました。
朝9時30分、受講生と講師陣が大原グラウンド駐車場に集合。バスに乗って日田市内の林業関連施設をめぐります。
ひた森広報チームも、受講生と共にわくわくしながらバスに乗り込みました。
まずは大分県農林水産研究指導センターへ
バスツアーのはじめに、昭和22年に創設され、日田の地で長年林業研究を行う林業試験場(大分県農林水産研究指導センター 林業研究部)を訪れました。

ここでは、伐採適期を迎えたスギ・ヒノキの人工林が多い一方で、若い木が不足しているという大分県の課題に対し、10〜25年で収穫可能な「早生樹(コウヨウザン、センダン、ユリノキなど)」の造林研究に注力しています。

また、優れた特徴を均一に出すための「特定母樹(エリートツリー)」のさし木による種苗生産や、無花粉スギの交配実験なども行われています。

広大な施設内には全国有数規模の「実大強度試験機(曲げ50トン、圧縮100トン)」があり、家2棟分にもなる木材の破壊・強度実験が行われているというスケールの大きさに驚かされました。

林業試験場にある機械の一部はレンタル可能。木材の強度試験機は、家具メーカーが家具用の木材の強度を図るなどの目的でも使用されているそうです。

続いて日田杉資料館で歴史を学ぶ
次に訪れたのは、平成8年に設立された日田杉資料館。実は日田市民でも「知る人ぞ知る」資料館は、中にはいってみるとびっくり!巨木がならぶ圧巻の空間が広がっていました。

展示される巨木の多くは、人工林の2割が倒木したという平成3年の台風19号で倒れたもの。1本で2000万円を超える価値があるといわれる「宮園神社のスギ」などが展示されています。
巨木を一望できる場所から説明を聞いていると「乗っていいですよ」といわれ、一同おどろきながら巨木へジャンプ!

乗ってみるとわかる圧巻のスケールに、参加者のテンションもあがります。

資料館には、林業の歴史や木材の利用方法についての資料が豊富に並びます。
昔は家を建てる際に使用される木材の割合が15%だったのに対し、現在では10%を切っているという住宅事情の変化についても触れられ、木材利用の現状を再認識する機会となりました。

参加者一同がおどろいたのが、昔の「原木積上げ風景」。うず高く積み上げられた木材の脇を、女性ふたりが巨木をかついで運ぶ風景に「すごすぎる!」「こんなのできない!」という声があがりました。
ナンブ木材流通で原木市場の役割を知る
午後からは林業関係企業が集まるウッドコンビナートに移動し、ナンブ木材流通(原木市場)の見学へ。交通の要所でもある日田には、地区内で稼働する原木市場が7つあり、ナンブ木材もそのひとつです。

ここでは、山から出てきた木を細かく仕分けし、月に2回の競りを行って製材所やバイオマス事業者などに販売しているとのこと。

山主にとっては木を簡単に現金化でき、買い手にとっては効率よく仕入れができるという「市場」の重要な役割について説明を受けました。

また、丸太は円錐形であるため、体積を測る際には円が小さい方の端を計測するという実務的な知識も教えていただきました。
最後は高瀬文夫商店で循環型産業の現場へ
最後は、創業65年を迎えるかまぼこ板の製造元、高瀬文夫商店へお邪魔し、造林・育林という川上から、木材製品の製造販売という川下まで幅広い「日田の林業」を体験しました。

かつて日田玖珠エリアには30〜40軒あったというかまぼこ板屋は、現在3軒のみに減少しているそうです。
かまぼこ板は食品衛生基準が厳しく、食品に木の香りが移るのを防ぐ必要があります。独自の香り抜き技術を開発したことで、地元の日田杉を活用できるようになったというお話には感銘を受けました。

また、市場で買い手がつきにくい大きすぎる丸太を仕入れて活用し、かまぼこ板にならなかった残りの端材はボイラーの燃料にするなど、ほぼ無駄なく資源を使い切る素晴らしい循環を実現しています。
市内の林業スポットを巡ったバスツアーはこれにて終了。
造林・育林の基本と、実践研修、バスツアーを共にした受講生たちは「同志」のように打ち解け、なかには日田への移住・林業会社への就職が決まったという参加者もいました。

令和7年度のひた森勉強会はここで終了になりますが、日田の森を育む新たな担い手としてはここからが本番。
「ひた森の担い手づくり協議会」は、引き続き皆さんの活躍をサポートしていきます!ご参加いただいた皆さん、ご協力いただいた各施設の皆さん、ありがとうございました。