2026年2月21日、日田市森林組合の会議室にて、第5回ひた森講演会「人口減少時代に造林・育林を広げる関係人口の重要性~みんなで森をモリアゲよう」を開催しました。
今回は、全国各地で森を盛り上げる活動を展開する株式会社モリアゲ代表取締役の長野麻子さんと、日田の製材業を牽引する有限会社髙村木材代表取締役の髙村真志さん、そして息子さんで「初代ひた木レンジャー」の髙村虎志郎さん親子をゲストにお迎えしました。
進行は、ひた森企画専門部員であるフォレストシティ代表の都賢太郎さんが務め、会場は県内外から集まった参加者で熱気に包まれました。

森のポテンシャルを開花させる
企業の「健康経営」とコーディネーターの役割
最初に登壇した長野麻子さんは、国土の7割を占める森が持つ「自然資本」としての巨大な可能性について熱弁しました。

特に注目を集めたのは、企業の「健康経営」と森の結びつきです。都会の「お疲れサラリーマン」が森で過ごすことで、免疫細胞(NK細胞)が大幅に活性化し、その効果が長期間持続するというデータが紹介され、企業が社員の心身の健康のために森へ投資する時代が来ていることが示されました。

また、森と企業や町をうまく結びつけるためには、間に入る「コーディネーター」の存在が不可欠であると指摘。様々な企業が森に関心を持つ中で、共通の目的を持ちながら「楽しんでやること」が、関係性を長続きさせる最大の秘訣であると語りました。
川中の挑戦と、次世代が発信する日田の木の魅力
続いて登壇した髙村真志さんは、山側(川上)と消費者側(川下)の間に位置する「川中(製材など)」の役割と、それをPRしていく重要性を語りました。

髙村木材では、スギの柔らかい部分を削り、硬い部分を浮き立たせてプレスする独自の加工技術により、傷がつきにくい内装材を開発。これが現在、コンクリートに美しい木目を転写する型枠としても大ヒットしているという、独自のアイデアと商機への柔軟な対応が紹介されました。
続いてマイクを握ったのは、高校生になった息子の虎志郎さんです。
小学2年生の時に「高村木材フリーペーパー」の創刊を思い立ち、3年生で同級生たちと「ひた木レンジャー」を結成して日田の木をPRしてきた微笑ましくも頼もしい軌跡を振り返りました。

最近では、進学先である福岡の都会育ちの友人たちを日田の山でのキャンプに招き、竹を切ってそうめん流しをしたり川で遊んだりしたところ、友人たちが大満足してくれたというエピソードを披露。
「日田や森は最高の環境なんだと再確認した」という虎志郎さんの言葉は、まさに若者がつくる「関係人口」の素晴らしいモデルでした。

失敗を恐れずチャレンジできる「受け入れ態勢」を
後半のトークセッションでは、地域がいかにして外からの関係人口や企業を受け入れていくかについて議論が交わされました。
長野さんからは、「できない理由を探すのではなく、失敗してもいいからチャレンジさせてくれるフード(風土)がある地域に、面白い若者や女性が集まってくる」との力強いアドバイスがありました。
権限を次世代へ譲り、大人がそれをサポートする体制こそが、持続可能な地域づくりの鍵となるようです。

講演会の終了後は、日田の大衆食堂「寶屋」にて懇親会も開催!

ゲストと日田の林業関係者、そして全国から集まった参加者が入り交じり、森の未来について語り合う、笑顔の絶えない時間となりました。